セカンドオピニオンの必要性
■手術する病院は安易に決めない方がよい
椎間板ヘルニアの手術を行う場合に、医師の言われるまま安易に手術方法を決めてしまうのは非常に危険なことだと思います。日本では病院や診療科によって手術方法や技術に差があり、もし技術的に未熟で目視下手術しかできない医師が執刀医になったりすれば、患者は大きなリスクを背負うことになります。
手術する病院を紹介してもらう場合でも、言われるままに従うのではなく、自らきちんと確認することが必要です。候補となる病院・診療科について、ホームページで手術方法や実績などを調べ、納得できる手術(できれば最小侵襲手術)であることを確認した上で返事をすべきだと思います。もし納得できなければ、別の病院・診療科を紹介してもらうよう依頼するか、自分で新たに探すべきでしょう。
最初の病院で手術方法を提示されたときに、それが本人にとっての最善の手術かどうか不安になるケースも多いと思います。そうした場合には、必要に応じてセカンドオピニオンの意見を聞くことを考えた方が良いと思います。特に、最初の医師が最小侵襲手術を行っていないような場合に、その必要性は高まります。ただしセカンドオピニオンを選ぶ際には基準を決めておく必要があり、医師であれば誰でも良いというわけではありません。
■自分にとっての最小侵襲手術を確認することが重要
私が考えているセカンドオピニオンの目的は、できるだけ侵襲の少ない手術法を探すことであり、言い換えれば自分にとっての最小侵襲手術が何であるのかを確認することにあります。そして最初の病院で提示された手術より低侵襲で済む手術が可能ということであれば、手術する病院の変更を考えます。
椎間板は一度失われると、元には戻りません。そのため、将来のことを考えればできる限り正常組織や椎間板の侵襲が少なくて済む手術を選択することが望ましいと考えています。椎間板は老化とともに薄くなり弾力性も低下するため、不安定な状態になります。そうすると、変形性脊椎症(変形性頚椎症、変形性腰椎症など)などを発症しやくすなり、発現した骨棘(骨の出っ張り)が脊髄や神経根を圧迫することで、新たな痛み等の症状が発現してくる危険性があります。こうした椎間板変性の進行を遅らせるためには、正常な椎間板をできるだけ温存することが重要であり、手術もそのことを念頭に置いて実施すべきだと思います。
したがって、最初の病院で目視下の切開手術が必要と言われたならば、より侵襲の少ない顕微鏡下・内視鏡下手術が可能かどうかを確認する、また顕微鏡下・内視鏡下手術の場合であっても、局所麻酔によるさらに侵襲度の低い治療(レーザー治療など)が可能かどうかを確認するといったように、できるだけ低いステップでの手術の可能性を検討すべきだと思います。
これらの点を踏まえて、セカンドオピニオンを選ぶとすれば、基本的には整形外科か脳神経外科で最小侵襲手術を行っている医師が望ましいと思います。また最初の医師が整形外科医であったならば、セカンドオピニオンは脳神経外科医に変えるといった方法も有効だと思います。結果的に、レーザー治療(PLDD)と内視鏡下手術(または顕微鏡下手術)の両方を実施していて、患者の評判も良い医師が見つけられれば、文句のないところだと思います。
しかし現実問題として、適切なセカンドオピニオンを探すというのは容易ではなく、特に地方の場合には病院数が限られてしまうため、苦労するかもしれません。また、適当と思われる医師が見つかったとしても、優秀な医師というのは予約患者も多いため、長期間待たされる可能性もあります。それでも自分の身体のことであり、今後の人生を左右するかもしれない手術になるわけですから、安易には妥協せず、多少は苦労しても最善の手術を探すための努力は惜しむべきではないと思います。
■海外の病院をセカンドオピニオンにすることも可能
どうしても国内で探すのは難しいという場合には、海外の病院をセカンドオピニオンにするという方法もあります。韓国のウリドゥル病院では遠隔診断を行っており、問診表をメールで送信し画像写真(MRI、X線)を指定の代行業者に郵送すれば、無料で診断結果と手術方法をメールで連絡してくれます。ウリドゥル病院の最小侵襲手術の技術は極めて高いため、自分にとっての最小侵襲手術が何であるかを知るという点では国内の病院よりも適しているかもしれません。患者は連絡結果を基に、手術を受けるかどうかを判断すればよく、手術を断った場合でも後から診断費用を請求される心配はないので比較的安心して申し込めると思います。